こんにちは、はるパパです。
本記事では「英語のリスニングを必死でやっているのに頭に残らない」という問題についてまとめています。
英語のリスニングは中級・上級レベルの英語学習者にとっても永遠の課題です。本当にゴールがないんですよね…
初心者ならなおさらです。でも、その原因と対策を知った上で訓練すれば、リスニング力を向上させることは可能です。
リスニング力は英会話において本当に大切です。
英会話においてリスニングさえできれば、スピーキングが多少タドタドしくても会話は成り立ちますよね。
逆にリスニングできなければ、何度も相手に聞き返さないといけないという地獄を味わいます…(私も何度となく経験しました)
いつまでも初心者のままではいたくはない。そんなあなたにオススメの内容です。
リスニングが頭に残らなくて困っているあなたに効果的な学習方法を紹介いたします。
ぜひ本記事を参考にトレーニングしてみてください。
- 英語の音声を言葉として理解できない
- 一度はリスニングの勉強をがんばったけど挫折
- そもそもリスニングの勉強方法が分からない
本記事の筆者は
- 日本生まれ、日本育ち。海外留学・赴任経験なし
- それでも外資系企業や日系企業海外部門で英語を使って仕事
- 過去にリスニングができなくて悩んだ経験あり
英語リスニングが頭に残らない。その理由はこれ
英語のリスニングが頭に残らない原因はたくさんあります。
英語と日本語はそもそも言語的な距離が遠いのです。
言語的な距離が遠い原因としては、一つには使っている文字が異なるためです。例えば日本語はひらがな・カタカナ・漢字を文字として使うのに対して、英語は26個のアルファベットのみしか使いません。
他にも単語の語順も違えば、日本人が普段発音しないような音で英語は発音されます。そりゃ、リスニングできなくて当前ですよね…
未就学児くらいまでに英語音声に慣れていれば、こうした言語的な距離も克服してすんなり英語が聞ける、いわゆる「英語耳」というものが手に入ると言われています。
でもあなたはもう大人。今から「英語耳」を獲得することは残念ながらできません。でもです。もう英語のリスニングを習得できないかというとそんなことはありません。リスニング力は練習方法さえ間違えなければ確実に向上します。
まず、なぜリスニングが難しいか、その原因を解説していきましょう。
英語リスニングが頭に残らない原因① 発声や発音の違い
英語リスニングで頭に残らない主な理由は、英語の発声や発音が日本語と異なるためです。
以下が主な違いです。
音節の構造の違い
英語の音節は子音と母音が複雑に組み合わさることが多いです。一方、日本語は基本的に単純な音節構造で、子音と母音が交互に現れる形が一般的です。
アクセントとリズムの違い
英語は「ストレスアクセント言語」と言われます。単語内のある音節に強いアクセント(ストレス)が置かれます。また、英語はリズムが不規則で、強弱のある音が変化します。
日本語は「ピッチアクセント言語」と言われ、単語内の高低の音の変化によってアクセントがつけられます。日本語のリズムは規則的で、音節ごとにほぼ同じ長さがあります。
母音の数と発音の違い
英語の母音は12~20程度の母音音素があります(アクセントや方言によって異なります)。
日本語は5つの母音(あ、い、う、え、お)があります。英語の母音には、日本語にはない狭母音や広母音、中舌母音、後舌母音などがあります。
このように日本人がふだん話す言葉にない発音はそもそも聞き取れないのです。
子音の数と発音の違い
英語には多くの子音があり、特に日本語には存在しない子音(例:[θ]、[ð]、[v]、[z] など)もあります。これらの子音は日本語話者にとって発音が難しいことがあります。
このように日本語と英語の発声・発音には多くの違いがあり、英語音声の認識が難しくなります。
英語が聞き取れないのはあなたの能力不足でも努力不足でもなく、日本人だからということなので安心してください。
英語リスニングが頭に残らない原因② 単語力・熟語力不足
次に単語力や熟語力の不足が原因かもしれません。
英語の文章をペラペラ話されても理解できないけど、”Hello”や”This is a pen”と言われたら「こんにちは」とか「これはペンです」って言ってるなって多くの人は分かります。
これはすべて知っている単語だからです。さらには聞いたら頭の中でイメージできるレベルまで記憶されているからです。
文章中に知らない単語があると、その前後の単語が分かったとしてもぼんやりとしか理解できなくなります。そこでモヤモヤしているとその後の文章はさらに聞き取れないという負のスパイラルに陥ります。
さらに厄介なのは、知っている単語同士でも熟語になると異なる意味になることがあります。
例えば”come up with”という熟語。”come”、”up”、”with”といった単語は中学生でも意味が分かると思いますが、熟語になると「~を思いつく」という言葉になります。
そんな英熟語も一緒に覚えていかないといけません。こればかりは覚えるしか方法はありません。
大卒のネイティブスピーカーは20,000~30,000語程度は覚えていると言われます。ここまでは必要ないですが、大学受験でも求められる6,000語程度は目指したいところです。
ポイントとしては、自分の仕事や興味のあるジャンルで頻出する領域の単語から覚えていくことです。ジャンルが変われば使われる単語が変わります。その意味も変わることがあります。
例えば”solution”という言葉は一般的には「解決方法」といった意味ですが、私がいる食品業界、特に食品化学の世界では「水溶液」という意味でも使われます。
これを知らないとと食品業界のニュースや文献を読んでも「???」ってなってしまいます。
特に特定のジャンルが決まっていないのであれば、TOEICで頻出する単語から覚えてもOKです。「金フレ」はオススメです。ただこちらは中・上級者向けなので「ターゲット1900」あたりがバランスが良くて良いと思います。
英語リスニングが頭に残らない原因③英語の語順に慣れていない
日本語と英語は語順が違います。
日本語は「私は(主語)犬が(目的語)好きです。(動詞)」のように並びます。
一方、英語は「I(主語) like(動詞) a dog.(目的語)」のように日本語と違って主語と動詞の位置が異なります。英語は主語と動詞が基本形で、それに補足情報(目的語、副詞、関係詞、接続詞、節等)をつなげて込み入った内容を伝えていきます。
そのため日本語の語順に慣れた日本人が英語の音声を聴くと、頭の中で情報を入れ替える時間が必要となります。そうこうしているうちに処理が追い付かなくなり聞いた内容が頭に残らないのです。
英語リスニングが頭に残らない原因④英文法力が足りない
英語のリスニングをするためには、中学生レベルの英文法力が必要です。逆に中学レベルの英文法をしっかり理解できていれば、日常会話レベルの話は理解できるはずです。
もしリスニングが頭に残らないのであれば、まず中学レベルの英文法からやり直してもいいかもしれません。
以下にオススメの参考書をまとめているので良ければご参考に。
>>>オススメの参考書18選
英語リスニングが頭に残らない原因⑤背景知識が足りていない
聞いている文章についての背景知識がないと頭に残りません。英語力は日本語力を超えることはないので日本語でも理解できないことは、英語で聞いても分からないのは当然と言えば当然です。
例えばスポーツに関するニュースを聞く際、試合のルールやチームの状況についての知識がないと聞き取りにくいです。ルールや状況についての前提がある上でのニュースだからです。
また医療に関する会話を聞く際、ある症状について話されていることを知っていれば、それに関連する治療法や薬について言及されることを予測できます。
他にも文化的な知識も必要になることがあります。アメリカの文化に関する話題で「感謝祭」について話されている場合、感謝祭が家族が集まり、七面鳥のディナーを楽しむアメリカの祝日であること知っていれば、聞き取りやすくなります。
これは自分の興味のある分野からトレーニングしていって徐々に対象範囲を広げていくことで解決できます。
リスニング力アップの秘訣【英語音声が頭に残る学習方法】
ではどのようにリスニング力を上げていけば良いかを解説していきます。
3つの方法を解説します。それは「シャドーイング」、「リプロダクション」、「ディクテーション」です。
シャドーイングとは?そのメリットとデメリット
「シャドーイング」という英語学習法はご存知でしょうか?
これは聞いた英語をすぐに真似て声に出す練習方法です。スピーキング力とリスニング力の向上に効果的な方法です。
シャドー(Shadow:影)のように真似をすることからシャドーイングと呼ばれます。
具体的には英語音声の0.5~1.0秒後を音声を真似て発音します。昔、音楽の授業で輪唱ってやりませんでしたか?森のくまさんの歌で前の人が「森~の~、」って言ったら、あなたも「森~の~、」って歌う。あんな感じ。笑
学習方法自体はとてもシンプルなので誰でもチャレンジすることができます。
以下に、シャドーイングのメリットとデメリットを挙げます。
シャドーイングのメリットは発音・リスニング力・スピーキングスピードを向上させられることです。何度も同じ文章を練習することで自然な表現力を習得することも可能です。英語を話す自信の向上にもつながります。
デメリットとしては、文法や語い力の向上には効果がないことです。また方法自体は簡単ですが教材選びが少し難しいです。自分のレベルに合った英文でないと発声が追いつかず練習効果が得られません。
また発音は良くなりますが、自己学習では限界があります。発音をきれいにしたいならオンライン英会話や駅前の英会話スクール等に通うなどしてフィードバックをもらう機会を作ることをオススメします。
リプロダクションとは?そのメリットとデメリット
次にご紹介するのが「リプロダクション」です。あまり聞いたことはないかもしれませんが、実は翻訳者を目指す人もリスニング力向上のために取り入れている英語学習法です。
聞いたり読んだりした英語の内容を、自分自身で再現(reproduce:リプロデュース)する練習方法です。リプロダクションはリスニング力だけでなく、読解力、スピーキング力、ライティング力の向上に効果的です。
具体的な学習方法としては、英語の音声をワンフレーズくらい流した後、一旦ポーズします。それまでに聞いたフレーズを正確に再現して自分でも発話してみるのです。
おそらく最初は全然できないかもしれませんが、誰しもそうなるので心配ありません。徐々に慣れてできるようになります。
以下にリプロダクションのメリットとデメリットをまとめておきます。
メリットとして、短期的な記憶力が向上します。また英文を頭の中で再構築するので聞いた英語の文法構造の理解が深まります。その過程で自然にスピーキング力やライティング力が上がり、新しい単語や表現を習得できます。
デメリットとして、リプロダクションには時間がかかります。最初は記憶力が弱かったり、単語や文法知識がないために練習に要する時間が長くなります。効果を実感するまでに少し時間がかかるかもしれません。学習の負荷も結構高いので、あまり難しい教材から始めてしまうと挫折する可能性があります。
ディクテーションとは?そのメリットとデメリット
最後に「ディクテーション」という学習方法をご紹介します。ディクテーションは英語の音声を聞いて正確に文章を書き取る(dictation:ディクテーション)練習方法です。
具体的な方法はリプロダクションと同じです。英語の音声をワンフレーズ流したら、一度止めて聞いた英語音声を文字に起こします。
最初は全部聞き取れないかもしれません。それでも大丈夫です。聞き取れた単語を書いて、聞き取れなかった単語はスペースを空けておきます。もう一度リスニングしたらすでに聞き取れた単語以外に集中して聴けるのでリプロダクションよりストレスは低いです。
3回くらい繰り返して分からないところは、答えを見てください。そして再度リスニングをして確認すれば完了です。
以下に、ディクテーションのメリットとデメリットをまとめます。
メリットとして、リスニング力が向上するだけでなく、英語を書き取ることでスペル力、単語・文法力が向上します。聞いた内容を覚えて書き留める練習を通じて、記憶力が鍛えられます。リスニングした内容が頭に残るようになります。
デメリットとして、リプロダクション同様に練習に時間がかかる点です。また最初から難しい教材を選ぶと書き取りが全然できないという点も注意です。初心者はゆっくりとしたスピードから始めることが重要です。
リスニングが頭に残る勉強法まとめ
このように3つの「リスニングが頭に残る学習方法」をご紹介しました。
各学習方法についてまとめておきます。どれもリスニング力向上には効果がある方法です。自分に合った勉強方法を試してみてください。
項目 | シャドーイング | リプロダクション | ディクテーション |
リスニング力 | ◎ | ◎ | ◎ |
記憶力 | △ | ◎ | 〇 |
単語・文法力 | △ | 〇 | ◎ |
スペル力 | △ | △ | ◎ |
発音 | ◎ | 〇 | △ |
難易度 | 容易 | 初心者には難しい | 初心者でも可能 |
学習時間 | 短い | 少し長い | 長い |
シャドーイングで慣れてきたら、学習の目的に合わせてリプロダクションかディクテーションをやればいいかなと思います。リスニングが頭に残らないという問題にはリプロダクションが最適です。少し難しいですが、チャレンジしてみてください。
リスニングが頭に残る具体的な学習方法を紹介
ここで一つ、私が実践している勉強方法を参考までにご紹介します。
TOEICで高得点を取りたい人にもオススメですし、どんな英語力にも対応可能な学習方法です。
学習教材はTOEIC L&Rテストの「公式問題集」を使います。すでに過去に使ったものでもOKです。
以下のステップで学習します。
ステップ①レベルに合ったPartを選んでディクテーション
まずは自分のレベルに合わせて練習するPartを選びます。初心者であればPart1かPart2から始めます。中級者以上はPart3かPart4を選んでください。
音声は公式問題集付属のCDをCDプレーヤーで再生してもよいですが、携帯に取り込んでおくと便利です(後ほど解説します)。
TOEICの音声はとても音声がクリアで、プロのナレーターがはっきりと発音してくれているので非常に聞き取りやすいです。
ワンフレーズ聞いたら、ノートに聞こえた音声を書き取っていきましょう。ディクテーションですね。書き取った内容とテキストを見比べてどこが聞き取れなかったかを確認します。
このとき文の構造についても理解してください。文法力の向上に繋がります。
1問書き取れたら次のステップに移行します。
ステップ②取り組んだ文章を音読する
次に取り組んだテキストを音読します。
ポイントは文の構造を意識しながら音読することです。
これにより音声と文章の意味が頭の中でつながっていきます。
音声を口に落ち着ける効果もあり、次のステップであるシャドーイングに向けた準備体操になります。
ステップ③取り組んだ文章をシャドーイングする
今度は取り組んだ問題の音声を流してシャドーイングします。
これまでの練習で比較的楽にシャドーイングできるようになったことを実感できるはずです。
これで一つ問題の練習サイクルは終わりです。次の問題に移りましょう。
番外編:1.5倍速で流し聞きする
先ほど音声は携帯に落としたほうがよいとお伝えしました。携帯の音楽再生アプリには倍速機能があるものが存在しています。これを活用したリスニング力を向上させる方法をご紹介します。
方法は簡単で「1.5倍速で聞き流す」ことです。
「ただでさえ聞き取れないのに1.5倍速とか意味不明。」そう思ったあなた。だまされたと思ってやってみてください。「あれ、案外聞き取れる」ことを実感してもらえるはずです。もし難しければ1.2倍や1.3倍くらいにしてください。
なぜ聞き取れるかというと、頭の中に学習した文の構造が入っているので処理が追いつくのです。
「でも新しい英語音声を聞いたら結局分からないでしょ」と思うかもしれません。
ではスピードをまた1.0倍に戻して聞いたことがない英語音声を聴いてみてください。「あれ、いつもめっちゃゆっくりに聞こえる」という感覚があるはずです。
脳が早いスピードに慣れてしまっていて、英語音声を処理する能力が自然と高まるからです。
TOEIC試験を受ける前に練習した英文を1.5倍速で聞き流すだけで、余裕をもってリスニングに臨むことが可能です。
脳の潜在能力のすごさを実感してもらえるはず!
まとめ
リスニングが頭に残らないのは日本語と英語の発音や語順の違いが大きな要因です。そもそも単語力や文法力が足りていない可能性もあります。
中学生レベルの単語力や文法力がないという自覚があるなら、まずは簡単なテキストや単語帳を買って習得してからリスニングを始めたほうが効果的です。
リスニング力を伸ばすには、短期的な記憶力を向上させることが大切です。リプロダクションやディクテーションは少し難しい学習方法ではありますがやるだけの価値がある勉強方法。
また自分で正しく発音できない音声は聞き取りが困難です。シャドーイングは発音を良くする効果があるのでこちらも学習に取り入れることをオススメします。
英語力は急に伸びないので、つらい時期もあるかもしれません。でも継続すれば必ず成長できるので諦めずにがんばりましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!