転職活動をするとき、外資系企業というと何だか「未知の世界」のような気がして転職先候補から外していることはないでしょうか?
今回は6年半外資系企業に勤務した経験を踏まえて「外資系企業の雰囲気」についてご紹介します。
また外資系企業で働くのに向いている人と向いてない人は存在します。
その点についても解説するので自分には向いているかぜひ参考にしてください。
雰囲気を掴んで少しでも自分にもやれそうと思えたら外資系企業も転職候補先になるかもしれませんね。
私の経験をベースにしていますので、すべての外資系企業に共通した内容でない情報もありますが一つの例として参考にしてもらえるとうれしいです。
- 外資系企業の実際の雰囲気を知りたい
- 自分が外資系企業に向いているか確認したい
- 外資系企業に漠然とした不安な気持ちがある
外資系企業の一般的なイメージ
外資系企業に対して一般的に持たれているイメージはこんな感じではないでしょうか?
- 給料は高いけど成果が求められる
- 出世争いが激しく人間関係はドライでギスギスしている
- 職場では英語が飛び交っており、突然英語で意見が求められる
- エリート集団の集まりで、何だか敷居が高い
私も入社前はこのようなイメージが強く不安で仕方がなかったです。
でも実際に入ってみるとこれらは全くその通りということはありません。
どのような雰囲気だったかを解説します。
外資系企業の雰囲気(実例)
私は外資系のメーカーに転職し営業部に配属となりました。
営業職は未経験(前職は技術者)。
ドラクエで言ったら「ひのきのぼう」と「ぬののふく」し身に付けていない弱小勇者でした。
そんな当時の私から見た外資系企業のリアルな雰囲気を解説いたします。
外資系企業の働きやすさ(時間の使い方)
定時は9時から17時で朝は営業部で簡単な朝礼を行いました。
営業だったということもありますが、働き方の自由度は極めて高く働きやすかったです。
お客様への直行直帰は自由で、勤怠管理もされません。
営業なのので夜はお客さんを接待することもありますが、「次の日の午前は来なくていいよ」と社長にも言われる始末です。笑
結果さえ出せていれば働かないのも自由(倫理的にどうかという問題はありますが)。
入社時に決まった年収=年俸には「みなし残業代」が40時間分が含まれており、40時間に満たなくても40時間相当の金額がもらえます。
40時間を超えた分は申請すれば残業代として支払われます。
しかも上司は決して長く働けとはいいません。
これだけ聞くと「最高じゃないか」と思うかもしれません。
でもやっぱり結果がでないと辛いし入社したばかりのころは本当に何も分からなかったので、毎日夜の9時や10時くらいまで働き土日もどちらかはパソコンを開いて仕事をしていました。
結果さえ出せばいいので、働くか働かないかは自分次第です。
時間の使い方も自分次第。
最初の1年こそがむしゃらに働きましたが、仕事にも慣れ結果がでてくると気持ち的にも余裕が生まれ格段に働きやすくなりました。
担当する顧客とのビジネスについては完全に自己完結。
裁量権がすべて与えられているので、特に大きな問題が発生しなければ全部自分で決めることができ、営業日報を書くルールもなかったです。
そういった点では本当に働きやすい環境でした。
営業部以外の品質保証部、技術部、総務部は定時退社が当たり前、それでも「みなし残業代」はしっかりもらえてコスパ最高です。
外資系企業における意見の言いやすさ
日系企業だと上司はもちろん年次が少しでも上の先輩社員に対して意見を言うのは気が引けるという経験は少なからずあると思います。
外資系企業では自分の意見を言わないと「何も考えてないやつ」と思われるので注意が必要です。
ある判断について「一番考えている人に判断する権利がある」と私は考えていました。
自分なりに一生懸命考えていても、相手が自分よりも深く考えていたと感じたら相手の意見を尊重するようにしています。
多くの人はそのように考えている傾向がありました。
相手に遠慮する必要がないのでコミュニケーションはとてもラクでスピーディです。
各メンバーに裁量権が与えられおり、多くの場合、その裁量権の範囲ではその人の意見が尊重されます。
オフィスに英語が飛び交っているかという心配があるかもしれませんが、それは日常的にはありません。
私がいた企業はすべて日本人だったためですが、もちろん海外から外国人が出張できた場合は英語で応対します。
そのときに簡単なあいさつや自己紹介くらいできないとカッコ悪いので、準備はしておいた方が良いです。
頻繁に英語を使うということはないですが、日系企業に比べると使用する頻度は多いです。
外資系企業における休みの取りやすさ
お盆休み・夏休みや年末年始の長期休暇や有給休暇はとても取りやすいです。
プライベートを大事にする人が多いので、休暇申請したら二つ返事でOKがでます。
海外の人々も夏やクリスマスシーズンは2~3週間くらいがっつり休むので、日本においても長期休暇を取ることに遠慮はいりません。
その間仕事が停滞することもありますが、そんなの誰も気に留めていません。
それを見越して前もって仕事をしたり、他の人にお願いしておけば尚良しです。
有給休暇も福利厚生の一部という考えが海外では強いので、全部消化するのが当たり前。
日本でも有給休暇を取る際に遠慮はご無用です。
休憩時間の過ごし方
外資系企業特有かもしれませんが、オフィスにはチョコレートやビスケット、キャンディなどのお菓子があちらこちらに常備されています。
コーヒーや紅茶などの飲み物もすべて飲み放題です。
ちょっと一息つきたいときは、そのお菓子コーナーに行って休憩。
そこで同僚と仕事と関係ない話をして過ごすことで人間関係も良好になり和気あいあいとしていました。
アフターファイブの過ごし方
多くの人は定時退社して基本的に家に直行します。(繰り返しですが外資系メーカーの話です)
ちょっと飲みに行こうということはなくはないですが、日系企業に比べると少なめの印象です。
人材の入れ替わりが激しい会社だったので、ほぼ毎月のように歓迎会か送別会があったのでわざわざ飲み会を開催しなくて大丈夫でした。
少し変わったところでは、年に2回の社員旅行がありました。
正直社会人になって初めて参加しましたが、コテコテの社員旅行だったので逆に新鮮でした。
これは社長のキャラクターや考え方によるのであまり参考になりません。笑
プライベートの過ごし方
土日祝日に上司や同僚と遊びに行くということはほぼありませんでした。
仕事より家族を大事にする人が多かったので、平日以外で一緒に何かするということはないです。
私は営業であったにも関わらずゴルフをやったことがなく、付き合いゴルフもあまりやりたくなかったのでとても助かりました。
でも奥さんの実家に近いところに住んでいる人がいて、実家に立ち寄った時に一緒にバーベキューをするような間柄の人もいたのでドライな感じでもなかったです。
意味のなくとりあえず行こうかということはなかったので、その点ではとても気楽です。
外資系企業における人間関係
ほとんどの人が転職による入社のため、入社年次による上下関係はあまりありませんでした。
日系企業だったら1年でも早く入社すると、入社したときの関係性が定年退職するその日まで続くということもありますよね。
外資系企業ではそういうことはあまり起こらないというか、誰も入社年次なんか気にしていません。
よって年次でマウントを取ってくる人もいません。
また年齢にかかわらず、「○○さん」と呼び捨てにせず敬称で話すのが基本姿勢です。
もちろん慣れてきたらあだ名で呼び合うということもありますが、基本的にお互いを尊重し合う風土がありました。
日系企業特有の家族的な付き合い方に慣れている人には、こういう雰囲気が逆にドライと感じるかもしれません。
外資系企業というと競争が激しくお互いを蹴落とすようなイメージがありましたが、それは全くなかったです。
メーカーは協力してモノを作りサービスを提供しないといけないので、チームワークをしっかり構築できないといけません。
「同僚」というよりは「仲間」という言葉がしっくりくる感じです。
その他(外資系企業の人たちの服装)
私は入社前に「外資系企業の人たちは、高価なスーツや時計を身に付けたスマートなエリート集団」というイメージを勝手に持っていました。
私はそれまでは営業もやったことがなく、スーツはオーダーメイドではない既製品。
時計も新卒の時に自分なりに奮発して買った2万円程度のもの、「本当になじめるのだろうか」という漠然な不安がありました。
実際入ってみたら人それぞれだったので、何も心配する必要なしでした。
社長はさすがに高価な生地だと素人が見ても分かるスーツをびしっと着てイメージ通りで、「せっかく給料上がったんだから、いいスーツ着て床屋にも行ってこい」って言われましたが。笑
私が配属されたのは食品系の部門だったのでお客さんも食品メーカーの方々です。
そのため香水をつけたり、華美なスーツを身に付ける必要はほとんどありませんでした。
化粧品向けの材料を扱う部門もあり、食品部門とは別フロアでしたがそちらはやはり身ぎれいなカッコウをし、香水もしっかり振っている人が多かったです。
服装については清潔感があれば特に問題ありません。
あとよく「外資系企業はドライ」って言われますが、意外とそうではなかったりします。
以下の記事も外資系の雰囲気を知るのに参考になりますよ。
>>>人間関係は意外とドライじゃない?外資系企業における人付き合いの心得を解説します。
外資系企業に向いている人・向いていない人
一例とは言え、少し外資系企業の雰囲気を感じていただきましたでしょうか?
最後に6年半外資系企業に勤めてみて、この人は外資系企業に向いているという人物像をご紹介します。
こんな人は外資系企業に向いている
- 柔軟で前向きな思考ができる人
- 主体性が高い、自主性がある人
- 向上心が強い人
- コミュニケーション能力が高い人
- 外国語や外国の文化に理解がある人
すでにお気づきかもしれませんが、外資系企業でなくてもこれらの性質がそろっていれば日系企業でも成功できます。
外資系企業で働くにあたり特に重要なのは主体性とコミュニケーション能力。
ドライ、フラットというイメージが強いと思いますが、役割分担が明確だったり、残業が少なく残業後の付き合いが少ないだけでチームワークは非常に大事です。
個性の強いメンバーも多いのでプロジェクトを進めようとすると、みんなの意見を取りまとめて前に進める能力が求められます。
逆に英語力等はアレルギーさえなければ、入社してからでもなんとかなります。
早めに勉強を始めておくとより安心です。
英語に不安があるのであれば、英語の勉強法についてもまとめた記事があるのでぜひ参考にしてください。
社会人でゼロから初めても十分間に合う勉強法です。
>>忙しい社会人がゼロから独学で英語を効率よく勉強して習得する方法を解説。
こんな人は外資系企業に向いていない
逆に以下のようなタイプの人は外資系企業には向いていないかもしれません。
- 定年までずっと同じ会社で勤め続けたい人
- 安定した収入を求める人
- ロンリーウルフタイプの人
- 指示待ちスタイルの人
外資系企業に興味があって、これらすべてに当てはまる人はいないと思います。
向いている人の性質と裏返しです。
自ら動いて、前向きに仕事に取り組める人が外資系企業に向いていますし、そういった人にとっては最高の環境です。
仕事で成果を出せば裁量の幅も広がり、どんどん仕事が楽しくなって昇給スピードも加速しますよ。
もし外資系企業の営業に興味があるのなら、以下の記事もご覧ください。
>>>未経験で外資系企業の営業に転職はできる?【適性は事前に確認しよう】
まとめ
日系企業に勤めていると外資系企業の人と出会うことは少なく未知の部分も多いですよね。
少し敷居が高いような気がして転職先候補からそっと外してしまうこともあったかもしれません。
でもそれは大変もったいないです。
外資系企業に入ったら高い年収を得られるだけでなく、人によってはとても働きやすく、休みも取りやすいというメリットがあります。
外資系メーカーであれば、一般にイメージされているような外資系企業のマイナスな部分は少なく、むしろ日系企業より良い点が見えてくると思います。
他にも外資系企業のあるあるをまとめた記事も書いていますので、ぜひ参考にしてください!
>>>外資系企業のメリデメあるある20選。転職前に知っておきたいこと。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!