そんなあなたの疑問にお答えします。
結論、「レイオフ」とは「整理解雇」の一つで業績が悪くなった企業が人員削減を行うことです。
最近ではTwitter(ツイッター)社のCEOがイーロン・マスク氏になったと同時に全社員の半分がレイオフの対象となり実際に会社を去っています。
「日本でも同じように簡単に人を解雇できるの?」「クビになった人はその後どうなるの?」
こんな疑問も湧いてくると思いますので、外資系企業に勤務した経験を踏まえて解説します。
- 外資系企業の「レイオフ」をTwitterの例を使って簡単に解説【実例も紹介】
- 外資系企業は日本でも簡単にレイオフできる?
- 外資系企業でレイオフされた人のその後
- 外資系企業でレイオフになってもあまり悲観することはない
本記事の筆者は
- 外資系食品メーカーに6年半働いていた経験
- 日系企業→外資系企業→日系企業と転職2回
- 特に人の入れ替わりが多い外資系企業に勤務
こんな私が解説します。
外資系企業の「レイオフ」をTwitter社の例を使って簡単に解説
海外のニュースを見ていると「レイオフ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
でも実際のところ「レイオフって何?」って聞かれると言葉に詰まっちゃいますよね。
最近ではTwitter社の大量レイオフも大きなニュースになっています。
この機会に確認しておきましょう。
「レイオフ」とは何か?
レイオフ(layoff)とは整理解雇の一つです。
業績が悪化した企業が人件費の削減を目的に従業員を一時的に解雇することです。
日本だと特別退職金(パッケージ)を積み増して企業と従業員が合意のもと退職となる「退職勧奨」という呼ばれ方もします。
業績が回復したら再雇用される前提で、「解雇」というとイメージされやすいクビやリストラとは異なります。
「コロナ禍でANA、JALやJRが一時帰休した」というニュースを聞いたことがあるかもしれません。この「一時帰休」も少し意味が異なります。
これは雇用を維持した状態で自宅待機することを命じるもので、人件費の削減を目的とはしているものの、給料の何割かは支払われます。
Twitter社で何が起こったのか?
電気自動車企業テスラ社や宇宙開発事業スペースX社のCEOであるイーロン・マスク氏がTwitter社を約5.6兆円で買収したことから物語が始まります。
驚きだったのはイーロン・マスク氏が全世界でTwitter社員のレイオフを始めたことです。
レイオフの対象者は全世界の約半数の従業員に相当する約3700人と米Insider社は22年11月3日付けの記事で報じました。
日本法人の従業員も対象です。
結局イーロン・マスク氏が想定していた以上の人が辞め、7,500人→2,700人くらいになったとの情報もあります。
「そんなに人が辞めちゃって大丈夫?」と思えるレベルですよね。
11月22日時点で一部職種については募集をかける事態となっており、Twitter社内も混乱している様子がうかがえます。
外資系企業に勤めていた私もここまで劇的なケースは聞いたことがなく驚きました。
他にも米国IT系企業大手のメタ社やアマゾン社も大規模なレイオフを発表しています。
背景としてはコロナによる巣ごもりで業績が急成長して人を増やしたため、その巻き戻しが今起きていると言われています。
外資系企業は日本でも簡単にレイオフできる?
日本では簡単に人を解雇することはできません。
外資系企業とはいえ、日本の労働法に守られているからです。
労働基準法20条で企業が従業員を解雇をする場合、以下のいずれかの規定に従うよう定めています。
- 少なくとも解雇日の30日前に解雇の予告をする
- 30日分以上の賃金(解雇予告手当)を支払う
Twitter Japan社(ツイッター・ジャパン)も22年11月4日に一斉に解雇対象者か否かを通知するメールが配信されたと報道されています。
解雇日の30日前ではないので、即日解雇ということはないと思われます。
おそらく「退職勧奨」だと推測しています。
「退職勧奨」では一般に数か月分(6~18か月)の給料に相当する特別退職金(パッケージ)が支払われることを条件に企業が従業員に退職をうながします。
この「退職勧奨」で再雇用の資格があるということは、あまり聞きません。
いつ業績が回復するか読めないし、仮に出戻っても気まずいので新たな職場を探す人が大半です。
外資系企業でレイオフされた人のその後
外資系企業でレイオフ=「退職勧奨」を受けて辞めた人は、私が知る限り全員新たな仕事を見つけて働き続けています。
仮にレイオフされても比較的すぐに仕事が見つかるからです。
外資系企業で働く人は、そもそも転職してキャリアアップすることを前提に働いている人も多いので転職に対する心理的ハードルが低いです。
かつ年収も高いので年収に応じた手数料を募集企業からもらう転職仲介業者(転職サイト、転職エージェント、ヘッドハンター)にとっては優良顧客です。
転職エージェントやヘッドハンターと日頃から繋がっていることで、もしもの時にもすぐに対応できすぐに新たな職場で働くことができるのです。
今回Twitter社からレイオフされた人も「Twitter社で働いていました」と言えば、どこでも雇ってくれるでしょう。
外資系企業でレイオフになってもあまり悲観することはない
「外資系企業はクビがコワい」と感じるのはよくわかります。
外資系企業の内情を知らないと余計に怖いですよね。
でもあまり悲観的になる必要はありません。
実際のところ、外資系企業とはいえそんなに簡単に人をクビにすることはできません。
せいぜい「退職勧奨」です。特別退職金だってもらえます。
今回のTwitterでは特別退職金は給料3か月分とかなり少ない印象でした。たぶん大規模だったせいもあるかもしれません。
私の周りの話を聞く限りでは12か月分くらいが相場という感覚です。
1年くらい働かなくても生活は回りますし、転職エージェントやヘッドハンターと繋がっていればその間に次の仕事は見つかります。
その会社で得た能力や経験はあなたのものであり、誰も奪うことはできません。
私の周りにも外資系企業に入って後悔している人は一人もいません。
むしろより条件の会社に転職している人が大半です。
最後に
私も外資系企業を辞めて日系企業に転職しました。外資系企業が嫌で辞めたわけでも、後悔もしていません。
転職をきっかけに働き方や仕事観に変化が生まれたからです。
元々日系企業で働いていましたが、そのときはその会社で使える能力や人脈を身に付けることが大切だと思っていました。
転職してみると使えない能力や人脈もたくさんあることに気づきました。
今は「この成果は次転職したときにアピールに使える」とか「他の会社でも活用できるスキル」を身に付けようという前向きな気持ちで仕事ができるようになりました。
今回Twitter社をレイオフされた人も今は悲しい気持ちになっている人も多いかもしれません。
でもTwitter社で働いて得た知識や経験は次の職場で必ず使えると思います。
逆に「一生同じ会社で働く」って考えるとしんどくなることはありませんか。
一度くらいは別の世界を知った上で、「やっぱり今の仕事がいい」と思って仕事をしたほうが良いと思います。
外資系企業の働き方は日系企業よりも自由で働きやすいと感じる人も多いです。
以下の記事に外資系企業のあるあるについてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
>>外資系企業のメリデメあるある20選。転職前に知っておきたいこと。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!