日系企業から外資系企業への転職を検討していると、色んな違いが見えてきます。
特に外資系企業の人間関係って気になるポイントではないでしょうか。
一般的に外資系というと「同僚はみんなライバル」、「ドライ」というイメージを持たれているかもしれません。
そして「そんな環境で自分はやっていけるのだろうか」って思いませんか?
私は新卒で6年間日系企業で働いた後、外資系企業への転職を検討しあなたと同じように悩みました。
その後、本社がニューヨークにある外資系企業(メーカー)に入社して6年半を過ごしました。
結論、案外ドライではありませんでした。
外資系企業にいる間に築いた人間関係はとても貴重で今も時々会ってお互いの近況報告もしています。
本記事では外資系企業における人付き合いの心得を解説します。
転職成功のカギは良い人間関係をどれだけ早く構築できるかにかかっています。
すべての外資系企業が私が働いた外資系企業と同じではないかもしれませんが、一つの事例として参考にしてみてください。
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外資系企業の人間関係は本当にドライか?
私が勤めた外資系企業はメーカーだったという点が大きいかもしれませんが、全然ドライではなく逆にコテコテの日系昭和企業のウェット感がある会社でした。
金融系やIT系だったら、あなたが持つイメージに近いかもしれません。
でもメーカーは一人では何も生み出すことができないので、どうしてもチームワークが必要となります。
また企業規模が100人程度のいわゆる中小企業だったので1か月も働けば、ほぼ全社員に会うことができますし、1年も働けばお互いに知らないということはない状態になります。
6年半も働けば、もはや家族です。笑
外資系企業にも関わらず、社長以下全員日本人という点も昭和感に磨きをかけていました。
ただ外資系企業ではあるので「個人主義」、「成果主義」という色合いは日系企業より強いので日系企業のように「こうあるべき」、「会社の方針に従うべき」という村社会のような雰囲気は全くなかったのでとても気楽でした。
この村社会感がない点はあらゆる外資系に共通している特徴といえるでしょう。
外資系企業における職場の雰囲気
私は営業部門にいましたが、営業メンバーは部長以下ほぼ並列の立場だったので上下関係はほとんどありません。
お互いがお互いを尊重しているので、「あれをやれ、これをやれ」みたいな雰囲気はありません。
逆に意識して先輩に教えを請わないと、先輩が進んで後輩を指導するということはないので、その点は極めてドライです。
各自、成果を出さないといけないので忙しくしていますが、まったり長時間働く人もいれば、定時になったらサクっと帰ってしまう人など働き方は自由でお互いに干渉はしません。
技術部、品証部、総務部も同じ建物で一緒に働いていましたが、「自由に働く」という点は尊重されています。
お互いの働き方に口出ししないということが暗黙ルールのようになっていました。
これをドライと感じる人もいるかもしれませんが、逆に人間関係がさっぱりしていてラクです。
外資系企業の雰囲気についてまとめた記事も参考になるのでよろしければどうぞ。
>>>外資系企業の雰囲気になじめるか心配なあなたに実際のところをご紹介します。
外資系企業における人付き合いの心得
それでは外資系企業でどのように人付き合いをすればよいかを解説します。
基本日系企業と大きく変わることはありません。
ポイントは相手の領域に踏み込み過ぎないことです。
上司・同僚・部下・他部署との付き合い方を一つずつ紹介します。
外資系企業で働く上では同業他社との付き合い方も大事になるので番外編で解説します。
外資系企業における上司との付き合い方
当たり前ですが上司はあなたの評価者です。
私は当時営業部門にいましたので上司は部長と社長です。
この二人に評価されるか否かがすべてといっても過言ではありません。
特に外資系企業は日本においては規模が小さくいわゆる中小企業と呼ばれる会社が多いです。
私が勤めた会社も100人規模でした。
そうなるととにかく社長との距離が近いので、社長はすべての社員に対して目を届かせることができます。
社長に評価されなければ、査定も悪くなり給料は伸びないばかりか会議でも厳しい言葉を浴びせられ居心地は最悪です。
評価されるにはどうすればよいかですが、「結果を出す」、これに尽きます。
「成果を上げた人間には好きにやらせる」というのが外資系企業の基本精神なので、数字を出せば社長は文句をいいません。
部長も結局社長に従うのみのパターンなので、結果さえ出せば何も言われません。
でも「結果なんてそう簡単にでるもんじゃないよ!」と思うかもしれません。
それはみんな分かっています。
だから最初からトップギアで働くことをオススメします。
トップギアで働くというのは「指示を待つのではなく、自分から動く」ことを心がけることです。
小規模の会社であればあなたを採用した時点においては少なくとも社長はあなたを高く評価しているはずです。
2~3年の間に成果もしくは成果を生み出しそうなプロジェクトを動かしている状態を作れば、あなたを採用して良かったと思ってくれるはずです。
ただ一人では大きな仕事をやりきることはできません。
周囲にも働きかけてみんなの力を借りることを意識しましょう。
上司に評価されて成果を出すコツをまとめた記事も参考になります。
>>>外資系企業と日系企業と評価制度の違いと評価されるコツ3選を解説。
外資系企業における同僚との付き合い方
同僚はライバルという側面はもちろんあります。
でもシノギを削って相手を蹴落とすということはほぼありません。
ここでも「相手の領域には踏み込まない」精神があります。
私が勤めた会社は新卒ではなく、ほとんどが中途採用でした。
しかも前の会社では何らか光る実績を持っており、それが評価されて入社してきます。
仕事の進め方やポリシーもバラバラです。
「その仕事の進め方良くないよ」と思っても、あえて本人には言いません。
結局数字で結果は出ますし、同僚にアドバイスしたからといって自分の評価が上がる訳ではありません。
「そんなの冷たい!」って思うかもしれませんが、もちろん聞けば教えてくれます。
うまくいっている営業マンがいたら、ご飯を誘ってどうやったのかを教えてもらったりしていました。
「自分から動く」という精神を意識すれば大丈夫です。
逆に「うまくいってなさそうだから教えてやろう」と助言しても相手はほとんど聞いてくれないので時間のムダです。
外資系企業における部下との付き合い方
部下も基本的には放置して好きなようにやらせます。
ただ部下の成果が自分の成果に紐づいているケースが多いので、何でもかんでも好きにやっていいよとはいきません。
自己主張が強い人が多いので、できていないことは小声で話し、できたことは大声でアピールしてくる人も多いです。
特にボーナス金額を決める時期などは、ものすごいアピールをしてくる人もいます。
5段階評価なのに全項目5で出してくるのは当たり前です。
評価の良しあしでインセンティブと呼ばれるボーナスやベース給与が大きく変わるので、みんな勝負をしかけてきます。
これに対しては営業であれば売り上げ、他の部門であれば目標設定時に立てた目標達成指標と比べて今のパフォーマンスがどうかという点にフォーカスすると良いでしょう。
売り上げや指標が目標値に達していなければ評価しないことを徹底すると良いでしょう。
部下は黙っていてもアピールしてくるので、普段から「できていないこと」をまとめた「閻魔帳」を作っている人もいました。笑
こうした改善ポイントを適宜示すことで、仕事の進め方を改善しチームとしてのパフォーマンスを上げていきます。
他部署との付き合い方
他部署は協力してくれる非常に大切なパートナーです。
丁寧に感謝の気持ちをもって付き合うことが大切です。
同僚とのシノギ合いはないとはいえ、リソースは限られているので他部署とうまくやれるか否かが成果を出せるか否かを決めるといっても過言ではありません。
私はメーカーの営業だったので技術部や品証部の協力が不可欠でした。
お客様から細かな要望や厳しい納期を示されたときに、無理をするのはこれらの他部署の方です。
気持ちよく働いてもらえるようにプロジェクトの背景やなぜ急がなければならないかを分かりやすく説明する必要があります。
また普段から積極的に話しかけにいって良好な人間関係を築くことも大切です。
この点は日系企業と大して変わりません。
繰り返しますが外資系企業は規模が小さいのでリソースが少なく、どうしても取り合いになります。
そのリソースをどれだけ自分の仕事に振り向けてもらうかを意識して仕事を進めていきましょう。
番外編:同業他社との付き合い方
番外編ではありますが同業他社との付き合い方をご紹介します。
外資系企業に働く人にとって、同業他社との繋がりはとても大切です。
それが例え競合他社であっても仲良くしておくことをオススメします。
理由は転職する先になる可能性があるからです。
外資系企業は日系企業に比べると人材の回転率が数倍の速さで動いています。
成果を出せない、部門整理によって退職するケースもありますが、実は多くの場合、より良いポジションを求めて転職することが多いのが外資系企業。
外資系企業は営業で入社したら基本営業、総務で入社したらずっと総務です。
もし自分の業務で出世するためのポストがないと思ったら、同業他社に転職してポジションやより良い雇用条件を獲得することが基本動作となります。
実際、私も好条件の転職先が見つかったので転職しました。
私は転職エージェントを活用しましたが、で同業他社に転職する場合は知り合いを通じて転職するケースが大半した。
面接もいきなり社長面接ですし、場合によっては社長との雑談で転職が決まるなんて話もあります。
日頃から仲良くしていれば何か思わぬ事態となっても安心ですし、何よりステップアップにつながる可能性もあるので意識的に同業他社の人とは仲良くしておくといいですよ。
思わぬ事態が発生したときの対処方法を知りたいなら以下の記事も参考になります。
外資系企業のクビ事情を日本一忖度なくまとめています。(たぶん)
>>>3年で45%の人が辞めた。外資系企業のクビ事情を赤裸々に伝えます
案外ウェットな外資系企業
私自身、外資系企業というとドライでライバルを蹴落としていくようなイメージがありましたが、実際にはそんなことはなかったです。
年に1回は社員旅行もありましたし、退職者と新入社員が来るたびに歓送迎会をやりました。
社員旅行は社会人になって初めて参加しました。笑
人の回転が速かったので歓送迎会はほぼ毎月のように開催していました。
会社が小規模だったからかもしれませんが、本当に家族のようにわいわいやっていてとても楽しかったです。
退職後も意外とつながっている人間関係
私は結果的にその会社を退職しましたが、同じく退職した仲間や今も会社に残っている仲間ともつながっています。
新卒で入社した日系企業の同期とはすっかり疎遠になりましたが、この2社目の外資系企業の仲間は今も仕事で助けてくれたり、一緒に食事に行ってくれたりします。
同業の外資系企業はみんな同じ雰囲気だったので外資系メーカーはこの傾向があるようです。
まとめ
このように外資系企業は一概にドライだとは言えません。
外資系金融やITはまた雰囲気が異なるかもしれませんが、外資系メーカーは本記事の内容の通り案外ウェットな人間関係が存在していることを知っていただきたいです。
大事なことは「外資系企業はドライだ」という先入観を持って、あなた自身がバリアを張らないようにすることです。
プロ意識が高い人が多いからこそ、自分の仕事に忙しく他人のことに構っていられない側面はあります。
でもチームで働くので声を上げればきっと助けてくれますし、あなたが成果をあげれば心から喜んでくれる仲間もいます。
転職は人間関係が本当に大事になります。
人間関係ができて、周囲から協力してもらって成果が出て、さらに人間関係が強固になるという順番です。
でもこの順番は日系企業と同じですよね。
外資系企業だからとあまり気負い過ぎず、相手の立場や考えを尊重して良い人間関係を築きキャリアアップしていってください。
他にも外資系企業のあるあるを紹介した記事もオススメです。
ぜひ参考にしてみてください!
>>外資系企業のメリデメあるある20選。転職前に知っておきたいこと。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!