子ども3人でも資産1億円を築けた理由|人生を豊かにする家計管理と貯蓄率

「毎日一生懸命働いているのに、なかなかお金が貯まらない……」
そんなふうに感じることはありませんか?
こんにちは、はるパパです。
私は47歳。夫婦と子ども3人の5人家族です。
特別な起業の才能や投資の才能があったわけではありませんが、会社員として働きながら資産1億円に到達しました。
資産形成の土台となったのは、相続や一度の投資で大きく儲けたことではありません。
むしろ私は、26歳のときに欲に目がくらみ、信用取引で資産をほぼ失った経験があります。
その失敗をきっかけに投資が怖くなり、その後は約15年間、市場から離れていました。
そんな苦い経験を経て、資産形成をやり直した私が分かったのは、投資の前に家計管理を整えることの重要性です。
私が資産1億円を築けた最大の理由は、たくさん稼いだからでも、高い利回りの商品を見つけたからでもありません。
収入の範囲で生活し、家計から生まれた余剰資金を継続的に貯蓄・投資へ回す仕組みを作ったからです。
子ども3人の教育費や家族の楽しみも大切にしながら、無理のない貯蓄率を20年以上維持してきました。
この記事で紹介するのは、家族に我慢を強いる節約テクニックではありません。
大切なことにはしっかりお金を使いながら、満足度の低い支出を減らし、人生を豊かにするために貯蓄率を高める考え方です。
・子ども3人家庭でも資産形成を続けられた理由
・家計管理で最も重視している「貯蓄率」の考え方
・貯蓄率の計算方法と目安
・我が家が削った支出と、削らなかった支出
・家族の満足度を下げずに貯蓄を続ける方法
・貯めたお金を資産形成につなげる方法
1.資産1億円を築けた最大の理由は「貯蓄率」
私が資産1億円を築けた最大の理由は、貯蓄率を意識した家計管理を長く続けてきたことです。
貯蓄率とは、手取り収入のうち、どれだけのお金を貯蓄や投資へ回せたかを示す割合です。
もちろん、資産形成を加速させるうえで投資も重要でした。
しかし、いくら優れた投資商品を選んでも、投資へ回せるお金がなければ資産はなかなか増えていきません。
資産形成を支えるのは、次の3つです。
貯蓄率 × 時間 × 投資
家計から継続的にお金を生み出し、それを長期間投資へ回す。
この仕組みをつくることが、資産形成では何より重要だと考えています。
① 投資の利回りより、まず投資へ回せる金額が重要
当然ですが、投資を始めるには元手となるお金が必要です。
特に資産形成の初期段階では、運用利回りよりも、毎年いくら投資へ回せるかという「入金額」の影響が大きくなります。
例えば、次のようなケースを考えてみます。
・100万円を年10%で運用した場合、1年間で増える金額は10万円
・500万円を年5%で運用した場合、1年間で増える金額は25万円
・毎年100万円を追加投資できれば、運用結果とは別に投資元本が着実に増える
もちろん、実際の投資収益は毎年一定ではありません。
それでも、資産がまだ少ない時期に高い利回りばかりを追い求めるより、家計から投資へ回せるお金を継続的に生み出す方が、資産形成への影響は大きいと考えています。
つまり、投資の腕前を磨く前に必要なのは、投資できるお金を毎年生み出せる家計をつくることです。
② 資産形成は「収入-支出」の積み重ね
資産形成の基本は、極めてシンプルです。
収入を得る
↓
支出を整える
↓
差額を貯蓄・投資へ回す
↓
これを長期間続ける
収入を増やすことは大切です。
しかし、昇給や転職の時期、景気、会社の評価なども関係するため、自分の努力だけでは完全にコントロールできません。
投資の運用成績も同じです。相場が上がるか下がるかを、個人が自由に決めることはできません。
一方、何にお金を使い、何に使わないかは、比較的自分でコントロールできます。
通信費や保険、住居費、車、利用していないサービスなど、支出の見直しは今日からでも始められます。
大切なのは、何でも我慢して支出を減らすことではありません。
家族にとって満足度の低い支出を減らし、その分を本当に大切なことや将来のための貯蓄・投資へ回すことです。
③ 派手な成功より、続けられる仕組みが強い
冒頭でお伝えしたように、私は26歳のときに信用取引で大きな失敗をしました。
当時の私は、短期間でお金を増やすことばかり考えていました。
投資で利益が出るとさらに大きな金額を賭け、損失が出ると取り返そうとして、より大きなリスクを取るようになりました。
その結果、資産をほぼ失いました。
投資すること自体が怖くなり、その後は約15年間、市場から離れることになります。
この経験から学んだのは、資産形成で大切なのは、一度に大きく増やすことではないということです。
どれほど大きな利益を得ても、途中で市場から退場してしまえば資産形成は続きません。
必要なのは、相場が良いときも悪いときも続けられる仕組みです。
現在の私は、短期間で大きな利益を狙うのではなく、家計から生まれた余剰資金を長期・分散投資へ回すことを基本にしています。
資産形成で大切なのは、一度に大きく増やすことではありません。
毎年お金が残る家計を作り、そのお金を投資へ回し続けることです。
このシンプルな仕組みを長く続けてきたことが、資産1億円につながった最大の理由だと考えています。
2.貯蓄率とは何か
先ほど簡単に触れた「貯蓄率」について、ここで詳しく説明します。
貯蓄率は、手取り収入のうち、どれだけのお金を貯蓄や投資へ回せたかを示す数字です。
「毎年お金が残る家計」をつくるうえで、私が最も重視している指標でもあります。
貯蓄額だけでなく貯蓄率を確認することで、自分の家計が収入に見合ったものになっているかを判断できます。
計算方法や考え方を理解すれば、無理なくお金が残る家計をつくり、資産形成を着実に進められるようになります。
2-1.貯蓄率の計算方法
貯蓄率の計算方法は、とてもシンプルです。
貯蓄率=年間の貯蓄・投資額÷年間の手取り収入×100
例えば、年間の手取り収入が500万円で、そのうち100万円を貯蓄や投資へ回した場合、貯蓄率は20%です。
住宅ローンの元本返済を貯蓄に含めるか、ボーナスをどのように扱うかなど、貯蓄率の細かい定義にはいくつかの考え方があります。
この記事では、分かりやすく家計を把握するため、貯蓄率を次のように定義します。
手取り収入のうち、その年に新たに現金として貯めた金額と、投資へ回した元本の割合
投資へよって増えた含み益や配当金は、その年の貯蓄額には含めません。
また、住宅ローンの元本返済を貯蓄に含める考え方もありますが、この記事では自由に使える金融資産を把握しやすくするため、貯蓄額には含めないことにします。
大切なのは、細かい定義にこだわることではありません。
毎年同じ計算方法を使い、貯蓄率がどのように変化しているかを確認することです。
2-2.貯蓄額より貯蓄率を見る理由
年収が違えば、同じ年間100万円の貯蓄でも、家計にとっての意味は異なります。
例えば、次のようなケースです。
- 手取り400万円で100万円を貯蓄:貯蓄率25%
- 手取り800万円で100万円を貯蓄:貯蓄率12.5%
どちらも貯蓄額は100万円ですが、手取り収入に対して残せた割合には大きな違いがあります。
貯蓄額だけを見ると、収入が高い人ほど有利に見えます。
しかし貯蓄率を見ることで、収入の多さにかかわらず、家計がどれくらい効率よくお金を残せているかが分かります。
貯蓄率が10%を超えていれば、まずは十分に良いスタートだと私は思います。
そこから家族の暮らしを犠牲にしない範囲で、15%、20%と少しずつ高めていくのが現実的です。
ただし、適切な貯蓄率は、年齢や収入、家族構成、住宅費、子どもの教育費などによって変わります。
他の家庭と比べるのではなく、まずは現在の自分の貯蓄率を把握し、少しずつ改善することが大切です。
2-3.貯蓄率は高いほどよいわけではない
貯蓄率が高くなるほど、資産形成のスピードは速くなります。
「それなら、できるだけ高い貯蓄率を目指すのが正解なのでは?」
そう思うかもしれません。
しかし、私は必ずしもそうではないと考えています。
- 貯蓄率を上げるために家族旅行をすべて諦める
- 子どもの経験や教育に使うお金まで削る
- 健康や人とのつながりを犠牲にする
こうした家計管理は、長く続かないだけでなく、人生を豊かにするという本来の目的とも矛盾します。
貯蓄率を高めるために現在の生活をすべて犠牲にしてしまっては、何のためにお金を貯めているのか分からなくなってしまいます。
大切なのは、最大の貯蓄率ではなく、家族が納得し、無理なく継続できる貯蓄率です。
我が家でも、教育や家族との経験など、大切だと考えることにはお金を使ってきました。
一方で、満足度の低い支出や、周囲に合わせるためだけの支出はできるだけ減らしてきました。
家計管理とは、単にお金を使わないことではありません。
大切ではない支出を減らし、本当に大切なことにお金を使える状態をつくることだと考えています。

「世帯年収別の貯蓄率については、こちらの記事で詳しく紹介しています。」
これが世帯年収別の貯蓄率の目安【あなたの家計を今一度チェック】|これから人生研究会
3.我が家の資産形成を振り返る
我が家は、子ども3人を育てながら会社員として資産1億円を築くことができました。
特別な才能があったわけでも、一度の大きな成功があったわけでもありません。
家計を整え、生まれた余剰資金を長期で積み立てる。
そんなシンプルなことを20年以上続けてきただけです。
ここでは、20代から46歳で資産1億円を達成するまでの道のりを振り返ってみます。
3-1.資産形成の出発点は順調ではなかった
私の資産形成は、決して順風満帆ではありませんでした。
冒頭でもお伝えしたように、26歳のとき、株式の信用取引で資産をほぼ失いました。
当時は社会人2年目。
「もう人生終わった……」
本気でそう思いました。
投資は怖いものになり、その後約15年間、市場から離れることになります。
「どうすれば、二度と同じ失敗を繰り返さずに済むのだろう。」
そう考え、お金について一から学び直すことを決意しました。
FP3級の勉強を始め、ライフプランや保険、税金など、お金に関する基礎知識を学びました。
同時に家計簿もつけ始め、自分のお金の流れを数字で把握するようになりました。
すると、無駄な支出が見えるようになり、資産形成は短期間でお金を増やすことではなく、長い時間をかけて積み上げるものだということに気づきました。
信用取引で失敗してからは、余剰資金をすべて銀行預金へ回しました。
投資ではお金が減る経験ばかりしてきましたが、貯金は違いました。
貯めた分だけ預金残高が増えていく。
当たり前のことなのに、その安心感がとても心地よかったことを今でも覚えています。
そして40代になり、インデックス投資と出会いました。
長期・分散・積立という考え方を知り、ようやくもう一度投資を始める決心がつきました。
私が現在実践しているインデックス投資の基本的な考え方や始め方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
子ども3人でも億り人になれた会社員が、実体験から伝えたいインデックス投資の始め方|これから人生研究会
もちろん、「もっと早く出会っていれば、資産形成はもっと速かっただろう」と思うこともあります。
でも、あの15年間は決して無駄ではありませんでした。
その間に積み上げた預金は、投資を始めるための元手になりました。
そして何より、
「自分はコツコツ続けられる人間なんだ」
という自信を与えてくれました。
3-2.家族が増えても家計を膨らませすぎなかった
貯蓄を続けている間に、結婚し、子どもが1人、2人、3人と増えていきました。
家族が増えれば、生活費が増えるのは当然です。
だからこそ私は、次のことを意識してきました。
収入が増えても生活水準を同じ割合で上げない
固定費を必要以上に増やさない
見栄のための支出はしない
家族にとって価値のある支出は惜しまない
転職や昇進で収入は増えましたが、生活レベルは結婚した頃から大きく変えていません。
社宅を利用できる間は積極的に活用し、住居費もできるだけ抑えました。
子ども用品も、おさがりで十分使えるものは大切に使いました。
そんなある日、妻が私にこう言いました。
「やっぱり、自分の家がほしい。」
私は家を買う予定はありませんでした。
資産効率だけを考えれば、賃貸や社宅の方が合理的だと思っていたからです。
それでも、家族が安心して暮らせる場所を持ちたいという妻の気持ちは大切にしたいと思いました。
そこで低金利の住宅ローンを利用し、都内に一戸建てを購入しました。
結果として、この選択は大正解でした。
家族みんなが安心して暮らせる家ができ、生活の満足度は想像以上に高まりました。
資産形成では効率も大切ですが、それ以上に家族の幸せも大切です。
私はこれからも、家族にとって価値のあることには積極的にお金を使っていきたいと思っています。
3-3.高収入だけでは1億円は残らない
私は31歳と37歳のときに転職しました。
収入を増やしたいという気持ちはもちろんありました。
ただ、1億円を目標にしていたというよりは、子どもの教育費や住宅費、家族との生活に漠然とした不安があったからです。
「何かあったときでも、笑顔でお金を出してあげられる親でいたい。」
そんな思いで転職に挑戦し、年収を上げることができました。
しかし、実際に年収が増えて分かったことがあります。
それは、年収が高いだけでは資産は築けないということです。
転職先の会社はどこも年収が高い会社でした。
それでも、お金に余裕があるという人は決して多くありませんでした。
「なぜだろう?」
そう思って周囲を見ていると、理由が見えてきました。
・税金や社会保険料が増える
・教育費や住宅費も高くなりやすい
・収入に合わせて生活水準も上がってしまう
年収が上がるほど税金や社会保険料も増え、思ったほど手取りは増えません。
さらに、職場の生活水準も自然と高くなります。
夏休みは海外旅行。
中学受験は当たり前。
留学の話もよく耳にします。
車も高級車が珍しくありません。
以前の職場から転職してきた私には、その生活水準に驚くことが何度もありました。
でも、その環境に合わせて生活レベルを上げてしまえば、お金は思ったほど残りません。
これが、「年収が高いのに資産が増えない」理由なのだと思います。
私が資産1億円を築けたのは、年収を上げたことだけが理由ではありません。
収入が増えても生活費はゆるやかにしか増やさない。
この考え方を続け、高い貯蓄率を維持できたことが、一番大きな理由だったと思っています。
振り返ってみると、資産1億円はある日突然できたものではありませんでした。
毎年少しずつ家計を整え、生まれた余剰資金を積み立て続けた結果が、20年以上かけて形になっただけです。
次の章では、我が家が「子ども3人でも貯蓄率を維持できた理由」をご紹介します。
4.子ども3人家庭でも貯蓄率を維持できた理由
子どもが増えれば、生活費が増えるのは当然です。
我が家も、子どもが3人いるから支出が少なかったわけではありません。
それでも、次の4つを意識することで、家計全体が必要以上に膨らまないようにしてきました。
固定費を膨らませすぎない
使えるものは長く使う
収入が増えても生活水準を急に上げない
夫婦で大きなお金の価値観を共有する
大切にしたのは、家族が増えても、すべての支出を同じように増やさないことです。
ここでは、我が家がどのような考え方で貯蓄率を維持してきたのかをご紹介します。
4-1.固定費を膨らませすぎない
子どもが3人いると、家族に合わせて固定費も大きくなりがちです。
例えば、
「もう少し広い家に住みたいな。」
「移動するなら、大きな車の方が楽かもしれない。」
「万が一に備えて、保険を増やした方が安心かな。」
「この子にも習い事をさせてあげたい。」
親として、こう考えるのは自然なことだと思います。
ただ、住居費や車、保険、通信費などの固定費は、一度増やすと簡単には下げられません。
そこで我が家では、次のような工夫をしてきました。
社宅を利用できる間は積極的に活用する
車は所有せず、必要なときだけカーシェアを利用する
通信費は格安SIMなどを活用する
保険は定期的に必要性を見直す
住宅購入も、家計全体とのバランスを見ながら予算を決める
もちろん、安ければよいというわけではありません。
家族の暮らしやすさや安心感は大切にしながら、必要以上に固定費を膨らませないようにしました。
固定費は、一度上げると下げにくい。
だからこそ、満足度を維持しながら、無理のない水準に抑えることを意識しています。
カーシェアは節約になる?車を手放して16年の実体験でメリット・デメリットを解説|これから人生研究会
4-2.「新しく買う」を当たり前にしなかった
何かが必要になったとき、私はすぐに買うのではなく、一度立ち止まるようにしています。
「本当に新品である必要があるかな?」
と考えるためです。
そして、今あるものがまだ使えるなら、できるだけ最後まで使うようにしています。
子どもが3人いると、服や用品をすべて新品でそろえれば、かなりの出費になります。
でも、上の子が大切に使ったものを下の子が使うことは、我が家ではごく自然なことでした。
家電も同じです。
簡単な修理や部品交換で直せるなら、買い替えずに使い続けます。
服も、流行を追いかけるより、自分が気に入っていて着心地のよいものを長く使う方が好きです。
節約のために無理をしているというより、
「まだ価値のあるものを、最後まで使う」
という感覚に近いです。
一つひとつは小さなことですが、長い年月で見ると、こうした習慣も家計を大きく膨らませないことにつながっています。
4-3.収入が増えても生活水準を急に上げなかった
転職や昇進で収入が増えても、生活費を同じ割合では増やしませんでした。
ボーナスのような一時的な収入も、毎月の生活費には組み込まないようにしています。
昇給分やボーナスの一部を、そのまま貯蓄や投資へ回す。
これを繰り返すことで、収入が増えるにつれて貯蓄率も少しずつ上がっていきました。
そのためには、周囲の生活水準に引っ張られすぎないことも大切でした。
例えば、
「課長になったら、これくらいの生活をするもの。」
「これだけ収入があれば、中学受験は当たり前。」
「子どもが3人なら、広い家と大きな車が必要。」
そんな「普通」を耳にすることもあります。
でも、そのたびに私は、
「本当に我が家にも必要かな?」
と考えるようにしてきました。
立場や年収に合わせて生活スタイルを決めるのではなく、自分や家族が本当に満足できる暮らしを基準にする。
その方が、無理なく長く続けられるからです。
我が家にとって大切だったのは、単に年収を上げることではありませんでした。
増えた収入を生活費に吸収させず、どれだけ将来へ回せたか。
それが、貯蓄率を高める大きなポイントだったと思っています。
4-4.夫婦で「何にお金を使うか」を共有した
どれだけ私一人が家計管理を頑張っても、家族が納得していなければ長く続けることはできません。
だから我が家では、大きなお金が動くことについては、夫婦で方向性を共有するようにしています。
例えば、
子どもの教育費
住宅
車
旅行
外食
将来どんな暮らしをしたいか
といったことです。
家計簿の細かな項目まで、夫婦で完全に一致させる必要はないと思っています。
私は家計管理が好きですが、妻は私ほど家計管理に関心があるタイプではありません。
それでも、
「何にはお金を使い、何は抑えるのか」
という大きな方向性を共有することは大切にしてきました。
住宅購入も、その一例です。
私はもともと家を買うつもりはありませんでした。
でも、妻が「自分の家で安心して暮らしたい」と望んだことで、考えを変えました。
家計効率だけを考えれば、もっと別の選択肢もあったかもしれません。
それでも、家族の安心や満足度まで含めて考えた結果、家を購入することにしました。
こうした経験から、家計管理は数字だけで決めるものではないと感じています。
家族が大切にしたいことに、納得してお金を使えること。
それも、豊かな家計には必要なことだと思っています。
子ども3人でも貯蓄率を維持できたのは、すべてを我慢したからではありません。
固定費を膨らませすぎず、使えるものは大切に使い、収入が増えても生活水準を急に上げない。
そして、家族にとって本当に大切なことには、きちんとお金を使う。
このメリハリが、我が家の家計管理の基本です。

次の章では、実際に我が家が「何を削り、何にはお金を使ってきたのか」を具体的にご紹介します。
5.我が家が削った支出・削らなかった支出
貯蓄率を高めるには、家計を見直すことが欠かせません。
でも、私は「とにかくお金を使わない生活」を目指しているわけではありません。
むしろ、人生を楽しむことまで我慢するような節約はしたくありません。
大切なのは、お金を使わないことではなく、何にお金を使うかを決めることです。
私は「満足度の低い支出」は減らし、「人生を豊かにしてくれる支出」は惜しまないようにしています。
5-1.削ったのは「満足度の低い支出」
まず見直したのは、「見栄のためだけに使っているお金」や「何となく続けている支出」です。
具体的には、次のようなものです。
見栄のためのブランド品
何となく続けている契約
利用頻度の低いサービス
必要以上に高い保険
周囲に合わせるための出費
惰性で買ってしまうもの
私は、人によく見られるための支出には、あまり価値を感じません。
高級車や高級時計、高級ブランドなども、「欲しい」と思ったことはほとんどありません。
携帯電話も格安SIMを利用していますし、以前加入していた高額な積立保険も、コストに見合わないと判断して解約しました。
会社へは毎日水筒を持参しています。
目的もなく毎日のようにカフェへ立ち寄ることも、私にとっては優先順位の低い支出です。
こうした支出は、その瞬間は満足感があります。
「品質がいいから」
「みんな持っているから」
そんな理由で納得していることもあります。
でも時間が経って振り返ると、
「結局、何が残ったんだろう。」
そう感じることが少なくありませんでした。
だから私は、「満足度の低い支出」は思い切って減らすようになりました。
5-2.削らなかったのは「人生を豊かにする支出」
一方で、自分や家族の人生を豊かにしてくれることには、できるだけお金を使うようにしています。
例えば、こんなものです。
子どもの教育や経験
家族との旅行や外食
本や学びへの投資
健康を維持するための支出
人とのつながり
時間を生み出すサービス
私は、「経験」「学び」「人とのつながり」「時間」を増やしてくれるものには、積極的にお金を使います。
本を読んで得た知識。
新しいことへ挑戦して得た経験。
家族旅行で過ごした時間。
子どもたちと笑い合った思い出。
こうしたものは、誰にも奪われることがありません。
そして私は、思い出にも複利があると思っています。
「あのとき家族で行った海、きれいだったね。」
「子どもたち、小さくて本当にかわいかったね。」
思い出は、その場で終わるものではありません。
時間が経つほど何度も振り返り、そのたびに新しい価値を生み出してくれます。
私は、こうした「時間が経つほど価値が増えるもの」には、お金を惜しまないようにしています。
子どもの教育や経験
家族との旅行や外食
本や学びへの投資
健康を維持するための支出
人とのつながり
時間を生み出すサービス
私にとって家計管理とは、「節約」そのものではありません。
限られたお金を、自分と家族が本当に幸せになれることへ使うための技術だと考えています。
お金は、貯めること自体が目的ではありません。
家族との時間を増やし、やりたいことを選べる人生をつくるための道具です。
私はこれからも、その考え方だけは変えずに家計管理を続けていきたいと思っています。

5-3.教育費は「聖域」にしすぎない
教育費に対する考え方は、ご家庭によって大きく異なると思います。
「子どもには少しでも良い教育を受けさせてあげたい。」
その気持ちは、私もよく分かります。
一方で、教育費は「どこまでお金をかけるのが正解なのか」が最も判断しにくい支出でもあります。
生活費は細かく見直しても、教育費だけは「子どものためだから」と、十分に考えずに増やしてしまうこともあるかもしれません。
でも、我が家では教育費も聖域にはしていません。
「子どものため」という理由だけで支出を決めるのではなく、次のような視点で考えています。
子ども本人が本当に望んでいるか
その支出に効果が期待できるか
家計全体とのバランスは取れているか
親の不安を埋めるためだけの支出になっていないか
例えば、本人に学ぶ意思がない段階で、無理に塾へ通わせても、大きな効果は期待できないと考えています。
まずは、「勉強してみよう」と本人が思えることが大切です。
子どもへの教育費は、未来への投資です。
だからこそ、「たくさんお金を使うこと」が正解とは限りません。
その子にとって、本当に必要な経験なのか。
今のタイミングで必要な学びなのか。
そんなことを家族で考えながら、お金を使うようにしています。
私たちは、偏差値の高い学校へ進学することだけを目標にはしていません。
それよりも、自分の能力や性格に合った学校で、多くのことを学び、友達と出会い、自立した大人へ成長してくれることを願っています。
親にできるのは、その道のりを支えることです。
子どもが自分らしい人生を歩めるよう、必要な場面では惜しまず応援し、そうでない場面では見守る。
それが、我が家の教育費に対する考え方です。
子どもの教育費をどこまで準備するかについては、こちらの記事でも詳しく考えています。
大学までの教育費が不安な人へ|子どもの進学をあきらめる前に知ってほしい4つのこと|これから人生研究会
6.貯蓄率を上げるために実践したこと
我が家は一気に資産1億円まで到達したわけではありません。
以前から家計の見直しを続け、2021年の貯蓄率は59%、2022年には64%まで上がりました。
子どもが3人いるため、教育費や生活費はかかります。
それでも「収入を増やす」「固定費を抑える」「生まれた余剰資金を投資に回す」というシンプルなことを長く続けてきました。
子どもが成長するにつれて支出も増えていますが、現在も50%以上の貯蓄率を維持できています。
家計管理というと、
「細かく節約して大変そう」
そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
でも、我が家がやってきたことは意外とシンプルです。
特別な節約術ではなく、
「お金の流れを知り、満足度の低い支出を少しずつ減らす」
これを20年以上続けてきただけです。
ここでは、我が家が実際に取り組んできたことをご紹介します。
6-1.年間支出を把握する
家計管理を始めるなら、まずは「年間でいくら使っているか」を知ることから始めましょう。
私は20年以上、家計簿をつけています。
毎月の収支だけでなく、年間を通して家計全体を見るようにしています。
特に忘れやすいのが、毎月は発生しない「特別費」です。
例えば、こんな支出があります。
税金
保険料
家電の買い替え
帰省費用
旅行費用
学費
冠婚葬祭
住宅の修繕費
こうした支出を含めて初めて、本当の年間支出が分かります。
「そこまで細かく管理するのは難しい……」
そう思う方も多いと思います。
私自身、家計管理が趣味のようになっていますが、同じレベルで管理する必要はありません。
まずは大まかな年間支出を把握するだけでも十分です。
最近は家計簿アプリも充実しています。
銀行口座やクレジットカードを連携するだけで、自動で分類・集計してくれるので、家計簿が苦手な方にもおすすめです。
6-2.支出を「固定費・変動費・特別費」に分ける
支出は、大きく3つに分けると管理しやすくなります。
【固定費】
家賃・住宅ローン・通信費・保険・サブスクなど
【変動費】
食費・日用品・光熱費・交通費など
【特別費】
旅行・冠婚葬祭・家電・住宅修繕・学費など
我が家では、家計簿や家計簿アプリでこれらを毎月記録しています。
細かく分析することよりも、
「今月はどこが増えたかな?」
くらいの感覚で眺めるだけでも十分です。
家計が「見える化」されるだけで、お金の使い方は自然と変わってきます。

6-3.満足度の低い支出から見直す
支出を把握したら、次は見直しです。
我が家では、金額だけではなく、
「その支出でどれくらい満足できたか」
という視点で判断しています。
例えば、自動車です。
社会人になってすぐ、自家用車を購入しました。
当時は、
「車を持って一人前」
くらいに思っていました。
でも、家計を見直してみると、車に対する満足度は意外と高くありませんでした。
平日はほとんど乗らない。
土日も、
「せっかくだから車を使わなきゃ」
と目的もなく出かけてしまい、余計な出費が増えることもありました。
それでも、
税金、保険、駐車場代、車検、メンテナンス費用……
車は乗らなくてもお金がかかります。
そこで思い切って車を手放し、カーシェアへ切り替えました。
必要なときだけ利用でき、維持費もほとんどかかりません。
我が家では、この選択だけで年間数十万円の支出を減らすことができました。
カーシェアでどれくらい節約できたかは、別記事で詳しく紹介しています。
カーシェアは節約になる?車を手放して16年の実体験でメリット・デメリットを解説|これから人生研究会
このように、満足度が低く、固定費が大きい支出から見直すことが、貯蓄率を上げる近道だと考えています。

6-4.目標貯蓄率を段階的に上げる
今の我が家の貯蓄率は50%を超えています。
でも、最初からそうだったわけではありません。
結婚や出産、引っ越しなど、人生のイベントでは一時的に貯蓄率が下がることもありました。
大切なのは、今の貯蓄率を知り、
「次は少しだけ上を目指そう」
と考えることです。
例えば、
現在10%なら15%を目指す
現在20%なら25%を目指す
ボーナスだけは半分残してみる
このくらいの小さな目標で十分です。
逆に、貯蓄率ばかりを追いかけて生活が苦しくなってしまっては長続きしません。
大切なのは、
満足度の低い支出を減らし、その分だけ貯蓄率を少しずつ高めていくことです。
焦らず続けることが、結果として一番大きな成果につながります。

6-5.収入が増えたときに貯蓄率を上げる
節約だけで貯蓄率を高めるには限界があります。
だから我が家では、昇給やボーナスなどで収入が増えたときこそ、家計を強くするチャンスだと考えています。
我が家の資産形成では、共働きを続けてきたことや、仕事を通じて収入を増やしてきたことも大きな要因でした。
ただし、収入が増えても生活レベルはできるだけ大きく変えないようにしてきました。
増えた収入のすべてを生活費に回すのではなく、その一部を貯蓄や投資へ回します。
こうすると、大きな我慢をしなくても自然と貯蓄率が上がっていきます。
収入が増えたら生活費を増やすのではなく、貯蓄率を上げる。
この積み重ねが、10年後、20年後には大きな差になります。
7.貯めたお金をどう運用したか
ここまで、我が家がどのように家計を管理し、貯蓄率を高めてきたかについてお話ししてきました。
でも、貯めたお金を銀行預金だけで持ち続けていても、資産は思うようには増えていきません。
私自身、信用取引で失敗したあと約15年間は、預金を中心に資産形成をしていました。
もちろん、その期間が無駄だったとは思っていません。
投資資金を準備できましたし、お金を管理する習慣も身につきました。
ただ、預金だけでは資産形成のスピードには限界があることも実感しました。
だから現在は、
「家計管理で生み出したお金を、長期投資で育てる」
という考え方で資産運用をしています。
7-1.家計管理と投資はセット
貯蓄率を高めても、現金だけではインフレの影響を受け、お金の価値は少しずつ目減りしてしまいます。
そこで我が家では、生活防衛資金を確保したうえで、残りの資金を長期投資へ回しています。
運用の基本方針は、とてもシンプルです。
生活防衛資金を確保する
残りを長期投資へ回す
世界中の株式へ分散投資する
債券や現金も組み合わせる
定期的にリバランスする
すぐに必要なお金は現金で持ち、それ以外は長期的な成長を期待できる資産として保有します。
投資では、リスクを引き受けた人が、その対価としてリターンを得ることができます。
もちろん、短期的には価格が大きく動くこともあります。
だからこそ、家計管理で生活の土台を整えておくことが大切です。
家計管理と投資は、どちらか一方ではなくセットで考えています。
私は、資産を一本の木のようなものだと思っています。
家計管理で生み出した余剰資金は、その木に与える「水」です。
水をやり続けることで、木は少しずつ成長し、やがて大きな実をつけます。
投資とは、その木を時間をかけて育てる作業なのだと思っています。
投資商品の詳しい内容については、別記事で紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

7-2.一発逆転を狙わない
私は26歳のとき、信用取引で資産の大半を失いました。
その経験で、お金に対する価値観は大きく変わりました。
学んだことは、とてもシンプルです。
「投資に一発逆転はない。」
当時の私は、資産が少なかったこともあり、
「一気に増やしたい。」
そんな気持ちばかりが先走っていました。
負けると、
「次こそ取り返す。」
さらにリスクの高い投資を繰り返しました。
その結果、市場から退場することになりました。
私は一度、本当に市場から退場した人間です。
だからこそ伝えたいことがあります。
資産形成で一番大切なのは、「市場から退場しないこと」です。
現在は、次のルールを徹底しています。
レバレッジをかけない
借金をして投資しない
個別株へ集中しすぎない
暴落しても市場から退場しない
未来を正確に予測しようとしない
私は資産を一本の木のように考えています。
毎日少しずつ水をやる。
嵐の日が来ても守り抜く。
時間をかけて育てる。
そうすれば、木は少しずつ大きくなり、やがて実をつけます。
その実から新しい種が生まれ、また新しい木へと育っていく。
複利とは、そんな自然の成長に少し似ている気がしています。

7-3.資産1億円は「貯蓄率 × 時間 × 運用」の結果
資産1億円に到達できた理由は、投資だけでも、節約だけでもありません。
私なりに表すなら、この式になります。
資産形成 = 貯蓄率 × 時間 × 運用
家計管理で貯蓄率を高める。
長い時間を味方につける。
そして、長期投資で資産を育てる。
この3つがそろって初めて、大きな資産へと成長していきます。
振り返ってみると、私は特別な投資をしたわけではありません。
家計を整え、生まれた余剰資金を積み立て、相場が悪いときも市場に居続けただけです。
もちろん、途中で暴落も経験しました。
思うように資産が増えない時期もありました。
それでも短期的な値動きに振り回されず、
「木を育てている途中なんだ。」
そう考えることで、落ち着いて投資を続けることができました。
もし今、投資へ回せるお金が少なくても心配はいりません。
家計を整える。
収入を少しずつ増やす。
そして長く投資を続ける。
この積み重ねが、10年後、20年後には大きな差になります。
私自身、20年以上かけてそのことを実感してきました。
投資に関する細かな内容は別記事でまとめていますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
8.貯蓄率を上げると、人生の選択肢が増える
資産1億円を達成したとき、不思議なことがありました。
一番うれしかったのは、通帳の数字ではありませんでした。
「これからは、自分で人生を選べる。」
そう思えたことでした。
家計を整え、本当に価値があるものにお金を使い、残ったお金を投資で育てる。
その結果、お金だけではなく、「人生の選択肢」が増えていたのです。
私はこれこそが、資産形成によって得られた一番大きな果実だったと思っています。
ここでは、その「人生の選択肢」についてお話しします。
8-1.お金の不安が減る
家計を整え、生活コストを無理のない範囲で抑えられるようになると、お金に対する不安は少しずつ減っていきました。
さらに、余剰資金を投資で育てることで、将来に対する安心感も増えていきました。
例えば、こんなことです。
急な出費にも慌てなくなった
会社だけに依存しなくてもいいと思えるようになった
子どもの進路の選択肢を広げられるようになった
家族の「やってみたい」を応援できるようになった
もちろん、お金があれば悩みがすべてなくなるわけではありません。
でも、
「もし何かあっても大丈夫。」
そう思える安心感は、お金では買えない大きな価値でした。
そしてもう一つ気づいたことがあります。
生活コストがコンパクトになるほど、必要なお金も少なくなります。
つまり、お金への不安は、「収入」だけではなく、「生活費」でも大きく変わるということです。
8-2.働き方を選べるようになる
資産が育つにつれて、会社に対する依存度も少しずつ下がっていきました。
以前の私は、
「出世が遅れたらどうしよう。」
「この仕事で失敗したら終わりだ。」
そんな不安を抱えながら働いていました。
家族を守るためには、会社にしがみつくしかない。
本気でそう思っていました。
そんな私にとって、FIREという考え方はとても魅力的でした。
資産形成を始めようと思ったきっかけの一つでもあります。
でも、資産が増えていく中で、考え方は少しずつ変わりました。
今の私にとって、本当の目的は「FIREすること」ではありません。
人生を、自分で選べる状態になること。
それが本当の目的だったのです。
例えば、こんな選択肢が生まれました。
嫌な仕事を無理に続けなくてもいい
時短勤務や転職という選択肢を持てる
収入よりも、やりがいや働きやすさを優先できる
家族と過ごす時間を増やせる
社会貢献や新しい挑戦にも時間を使える
私は今でも会社員です。
でも、以前のように「会社だけが人生」ではありません。
家族との時間。
学び。
ブログ。
新しい挑戦。
会社以外にも、自分の居場所が少しずつ増えてきました。
だから以前のように、評価や出世だけに振り回されることはなくなりました。
働くことが「生活のためだけ」ではなく、自分らしく生きるための一つの手段へと変わってきたように感じています。
私自身が現在の資産・貯蓄率からFIREまでの道のりを考えた記事はこちらです。
貯蓄率50%超えの会社員はいつFIREできる?我が家の資産形成を計算してみた|これから人生研究会
8-3.資産形成の本当の目的
私は、資産形成とは「お金を増やすこと」ではないと思っています。
もちろん、お金が増えることはうれしいことです。
でも、それはゴールではありません。
お金は、自分や家族が望む人生を実現するための道具です。
旅行へ行く。
子どもの夢を応援する。
学び直しをする。
やりたい仕事に挑戦する。
困っている人を助ける。
そうした人生の選択肢を増やしてくれることこそ、お金の本当の価値だと思っています。
私は、資産形成によって一番大きく変わったのは、資産額ではありません。
「自分で人生を選べる」という安心感でした。
もし今、思うように貯蓄できていなくても焦る必要はありません。
家計を整える。
少しずつ貯蓄率を上げる。
余剰資金を長期で育てる。
その積み重ねが、いつかあなた自身の人生の選択肢を増やしてくれるはずです。
私は20年以上、お金と向き合ってきました。
そして今、自信を持って言えることがあります。
資産形成とは、お金を増やすことではありません。
人生の選択肢を増やすことです。
その選択肢こそが、お金の生る木に実った一番大きな果実だったのだと思っています。

9.家計管理でやってはいけないこと
家計管理は、貯蓄率を高めるためのとても大切な土台です。
でも、やり方を間違えると、お金は増えても人生の満足度が下がってしまうことがあります。
将来の安心を手に入れるために始めた家計管理なのに、いつの間にか「貯めること」が目的になり、今の生活を楽しめなくなってしまっては本末転倒です。
将来だけでなく、今の暮らしも大切にすること。
それが、私が家計管理を続けるうえで一番大切にしている考え方です。
ここでは、私が実際に感じた「家計管理で陥りやすい4つの落とし穴」を紹介します。
9-1.貯蓄率を他人と競う
人生には、貯蓄率を上げやすい時期と、どうしても下がってしまう時期があります。
結婚、出産、住宅購入、子どもの教育費。
ライフステージによって、お金の使い方は大きく変わります。
例えば、子どもがいない時期は夫婦共働きで働きやすく、貯蓄率も上げやすいでしょう。
一方で、子どもが生まれれば働き方を見直すこともあります。
高校・大学へ進学すれば教育費も増えていきます。
このように、貯蓄率が思うように伸びない時期は、誰にでも訪れます。
それでもSNSを見ると、
「同じ年代なのに、もっと貯蓄率が高い人がいる。」
「私は頑張っているのに……。」
そんな気持ちになることもあるかもしれません。
でも、人と比べる必要はありません。
家族構成、住んでいる地域、収入、教育方針。
どれ一つとして同じ家庭はありません。
大切なのは、昨日の自分より少し前に進めているかどうかです。
我が家でも、結婚や子どもの誕生で貯蓄率が下がった時期がありました。
そんなときは、
「今はそういう時期なんだ。」
そう考えて、焦らず家計を整えてきました。
貯蓄率は、人と競う数字ではありません。
自分の家計が健康かどうかを確認するための指標です。
9-2.家族の楽しみを一方的に削る
「今日からお菓子は禁止。」
「旅行はもったいないから今年はなし。」
家計管理を始めると、ついそんなルールを作りたくなることがあります。
でも、それは家計管理ではなく、家族への我慢の押し付けになってしまうかもしれません。
家計を管理する本人にとっては「無駄」に見える支出でも、家族にとっては毎日の楽しみや大切な思い出につながっていることがあります。
例えば、子どもたちのおやつ。
家族旅行。
たまの外食。
そうした時間があるからこそ、毎日を頑張れることもあります。
だから我が家では、支出を減らす前に必ず
「これは家族にとって本当に不要かな?」
と考えるようにしています。
家計管理は、一人で頑張るものではありません。
家族みんなが納得できる形で続けることが、一番長続きすると感じています。
9-3.細かい節約に疲れる
節約というと、
- 電気をこまめに消す
- 水を出しっぱなしにしない
- 数十円安い商品を探してスーパーを回る
そんなイメージを持つ人も多いと思います。
もちろん、こうした積み重ねも無駄ではありません。
でも、数十円を節約することに疲れてしまうくらいなら、まずは固定費を見直すことをおすすめします。
例えば、
保険
通信費
住宅費
車の維持費
使っていないサブスク
これらは一度見直すだけで、毎月大きな節約効果が続きます。
最初は少し不便に感じるかもしれません。
でも、多くの場合、その生活にはすぐに慣れていきます。
我慢を積み重ねるよりも、仕組みで節約することのほうが、ずっと楽で長続きします。
9-4.貯めること自体を目的にする
家計管理で一番気を付けたいことがあります。
それは、
「貯めること」そのものが目的になってしまうことです。
もちろん、目標を持つことは大切です。
でも、目標ばかりを追いかけて、今の暮らしがすさんでしまっては意味がありません。
本来の目的は、
「将来も家族が安心して、笑顔で暮らせること」
だったはずです。
だから私は、
「今」と「将来」の両方を大切にしたいと思っています。
家計管理では、収入をすぐに増やすことは難しくても、支出は比較的早く改善できます。
その意味では、支出の見直しは資産形成の特効薬です。
でも、薬も飲みすぎれば体に負担がかかるように、過度な節約は人生の豊かさを失ってしまいます。
私は、お金は人生を豊かにするための道具だと思っています。
道具を集めることが目的になってしまったら、本来の目的を見失ってしまいます。
家計管理も同じです。
貯蓄率はゴールではありません。
家族にとって無理のない暮らしを続けながら、人生の選択肢を少しずつ増やしていくための道具です。
それを忘れずに、お金と上手に付き合っていきたいと思っています。

10.今日から始める「人生を豊かにする家計管理」5ステップ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
貯蓄率を上げる考え方や、我が家が実践してきた家計管理について、なんとなくイメージしていただけたのではないでしょうか。
でも、せっかくここまで読んでいただいたので、
「なんとなく分かった。」
で終わってほしくありません。
家計管理は、実際に自分のお金と向き合ってみることで初めてスタートします。
とはいえ、最初から細かな家計簿をつけたり、完璧な家計を目指したりする必要はありません。
まずは、自分のお金の流れを知ることから始めてみましょう。
ここでは、今日から実践できる5つのステップをご紹介します。
STEP1 昨年1年間の手取り収入を確認する

最初に確認するのは、昨年1年間の「手取り収入」です。
ここでいう手取り収入とは、税金や社会保険料などを差し引いたあと、実際に受け取った金額のことです。
すでに家計簿アプリを使っている方は、昨年1年間の給与収入を確認してみてください。
家計簿をつけていなくても大丈夫です。
給与が振り込まれている銀行口座を確認し、1年間の給与振込額を合計すれば、おおよその手取り収入が分かります。
ボーナスがある場合は、それも忘れずに加えましょう。
給与以外に継続的な収入がある方は、その手取り額も加えます。
まずは、
「我が家には1年間で、実際にいくらのお金が入ってきたのか?」
を知ることから始めます。
STEP2 昨年いくら貯められたか確認する
次に、昨年1年間で実際にいくら貯められたかを確認します。
この記事では、分かりやすく次のように考えます。
年間貯蓄額 = 1年間で増えた現金 + その年の収入から新たに投資した金額
例えば、昨年の初めに銀行口座に300万円あり、年末に350万円になっていれば、現金は50万円増えています。
さらに、その年の収入から100万円を投資していたなら、
50万円+100万円=150万円
が、その年に貯蓄・投資できた金額です。
ここで注意したいのは、株式や投資信託の値上がりによって増えた金額は含めないことです。
あくまで、
「自分の収入から、いくら残すことができたか」
を確認します。
投資額については、証券口座の入出金履歴や積立履歴を確認すると分かりやすいでしょう。
多少の誤差があっても問題ありません。
ここで大切なのは、1円単位まで正確に計算することではなく、自分が1年間でどれくらいのお金を残せたのかを知ることです。
STEP3 現在の貯蓄率を計算する
手取り収入と貯蓄額が分かったら、現在の貯蓄率を計算してみましょう。
計算式をもう一度確認します。
貯蓄率 = 年間の貯蓄・投資額 ÷ 年間の手取り収入 × 100
例えば、
手取り収入500万円
年間の貯蓄・投資額100万円
なら、
100万円 ÷ 500万円 × 100 = 貯蓄率20%
となります。
計算してみて、
「思ったより低かった……。」
と思っても気にする必要はありません。
逆に高かったからといって、もっと上を目指さなければいけないわけでもありません。
貯蓄率は誰かと競うための数字ではなく、自分の家計の状態を知るための数字です。
まずは現在地を知る。
それだけで十分です。
STEP4 満足度の低い支出を一つだけ見直す
現在地が分かったら、次に支出を見直してみます。
ただし、いきなり食費を削ったり、エアコンを我慢したりする必要はありません。
この記事で何度もお伝えしてきたように、
「金額は大きいのに、自分や家族の満足度は低いもの」
から見直してみましょう。
例えば、
携帯電話を格安プランに変更できないか
今加入している保険は本当に必要か]
ほとんど使っていないサブスクはないか
車をどれくらい利用しているか
もちろん、最初から車のような大きな支出を見直す必要はありません。
まずは使っていないサブスクを一つ解約する。
スマホの料金プランを確認してみる。
保険の内容を確認してみる。
それくらいで十分です。
固定費は一度見直せば、その後は何もしなくても節約効果が続きます。
毎日の小さな我慢を積み重ねるより、一度の見直しで自動的に支出が減る仕組みをつくる方が、ずっと楽に続けられます。
STEP5 自動で貯まる仕組みをつくる
最後に、貯蓄を「頑張るもの」から「自動でできるもの」に変えてしまいます。
おすすめなのが、先取り貯蓄です。
給料が入ったら、
使う → 残ったら貯める
ではなく、
貯める → 残ったお金で生活する
という順番に変えます。
銀行の自動振替を利用して、給料日に一定額を貯蓄用口座へ移す方法もあります。
勤務先によっては、給与の振込先を複数の口座に分けられる場合もあります。
投資をしている方なら、証券口座の自動積立を利用する方法もあります。
一度設定してしまえば、毎月、
「今月はいくら貯金しようかな。」
と考える必要がありません。
気づいたらお金が貯まっている。
そんな仕組みをつくることが理想です。
SNSを見ると、
「毎月30万円をNISAで積み立てています。」
「この年齢なら月5万円くらい投資すべき。」
そんな投稿を目にすることもあります。
でも、焦る必要はありません。
家族構成、年齢、収入、住んでいる場所によって、無理なく貯蓄できる金額は違います。
1万円でもいい。
5,000円でもいい。
大切なのは金額ではなく、無理なく続けられる仕組みをつくることです。
まずはSTEP1だけやってみよう
ここまで5つのステップを紹介しました。
でも、
「今日、全部やってください。」
とは言いません。
まずはSTEP1だけで十分です。
この記事を閉じる前に、銀行口座や家計簿アプリを開いて、
「昨年1年間で、いくら手取り収入があったかな?」
と確認してみてください。
5分でもできると思います。
それができたら、今日は100点です。
明日、余裕があればSTEP2へ進む。
そんなペースで構いません。
私自身も20年以上かけて、少しずつ家計を整えてきました。
最初から完璧な家計管理を目指す必要はありません。
今日、一つだけ行動を変える。
その小さな一歩が積み重なって、1年後、10年後の家計を変え、やがて人生の選択肢を増やしてくれると私は思っています。








